2006-11-26
■ 左利きと楽器演奏~その4・打楽器の場合

音階を持たない打楽器は左右対称に作られているため、「左利き用」というものはあまり見かけないのですが、ほとんど唯一の例外といってよいのがドラムセット(ドラムス)です。
もっとも、ドラムセットだって、セッティングが左右反対なだけで、使われている楽器類は同じものなんですけどね。
ところが、ハード・ロック/ヘヴィー・メタルでは左足用のバス・ドラムのペダルが使われることがあります。これを使い始めたのは、おそらくディープ・パープルのドラマー、イアン・ペイスではないかと思います。
ドラムスを演奏する場合、利き手のほうで細かいリズムを刻むのが基本です。右利きのドラマーは、右手でライド・シンバル(右側の分厚いシンバル)やハイハットで4ビートや8ビートを刻み、左手でスネア・ドラムを叩くわけですね。これが左利きのドラマーの場合は、左右逆になるんです。
ただ、必ずしもセッティングを左右反対にするとは限らず、右利き用セッティングのまま、左手でハイハットを叩く左利きドラマーもたくさんいます。(むしろ、そういうケースのほうが多いのかも。)
■ 左利きと楽器演奏~その3・管楽器の場合

左利き用の管楽器はさすがにないだろうと思ったら、ちゃんとありました。
■ 左利きのグループ

アメリカのフォーク・デュオ・グループ、サイモン&ガーファンクルのポール・サイモンとアート・ガーファンクルは、二人とも左利きです。
ポール・サイモンは右利き用のギターを使っているんですけどね。
それから、アート・ガーファンクルは "Lefty" というタイトルのアルバムを発表したことがあります。

- アーティスト: アート・ガーファンクル
- 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックレコーズ
- 発売日: 1992/08/29
- メディア: CD
- この商品を含むブログ (1件) を見る
■ 左利きと楽器演奏~その2・ピアノの場合

左利きのために左右反対に作られたピアノは生産されていませんし、演奏風景を見ただけではピアニストが左利きかどうかなんて、わからないわけですが、左利きのピアニストは結構たくさんいます。歴史上、最も有名な左利きのピアニストはベートーベンでしょうか。
モダン・ジャズでは、マッコイ・タイナーというピアニストが左利きで有名です。彼の演奏は、左手の強いタッチと独特のコードワークが特徴的です。
■ 左利きと楽器演奏~その1・弦楽器の場合

子供の頃、バイオリンを習っていました。(もうすっかり忘れてしまいましたが。)
左利きのギタリストで、弦を逆順に張り替えたりして演奏するひとがいますが、オーケストラのバイオリニストでそういうことをやっている人を見たことがありません。バイオリンには胴体の左下の部分に「あご当て」という部品がついていて、左利きのための逆向き「あご当て」がないからです。(ひょっとしたら、存在するのかもしれませんが、今まで一度も見たことがないですね。)
しかし、よく考えてみると、右利き用の弦楽器は弦を押さえる左手のほうが難しいんですよ。左手のほうが右手よりも器用だったら、右利き用の弦楽器をそのまま使うほうが利にかなっているのではないかと思います。
実際、左利きでも、右利き用のギターをそのまま使っている人のほうが多いだろうと思います。
弦を逆順に張り替えているミュージシャンでは、ジミ・ヘンドリックスとポール・マッカートニーの二人が有名ですね。ジミヘンが右利き用のストラトキャスターを使っていたのに対し、ポールはほとんど特注の左利き用ベース・ギターを使っています。
彼らが、ギターを始めたばかりの頃、どうやって人から教わっていたのか、バンド仲間と楽器の貸し借りをしなかったのか、さっぱりわからないのですが、とにかく天才のなせる業であることは確かなようです。
【追記】
http://awopbopaloobop.blogspot.com/2006/03/many-happy-returns.html
ジャズのアルト・サックス奏者、オーネット・コールマンが左利き用のバイオリンを演奏している画像を発見しました。これは貴重かも。
実は、僕もそうです。